英語授業の大きな目的

臨機応変な雑談力、雑談の種類について(御井浦 のえ著)

臨機応変な雑談

 

「学生時代の授業」で覚えていることはありますか?

 

芥川龍之介の『羅生門』の授業でしょうか?
それとも数学の「二次方程式」や英語の「現在完了形」ですか?

 

それでは、「学生時代の授業」で「面白かったこと」は何でしょうか?
あまり勉強が得意ではなかった私にとって、「学生時代の授業」で「面白かったこと」は、先生がしてくれる「雑談」でした。

 

例えば、中学時代にとっても厳しい英語の先生がいました。

 

英語が苦手な私はいつ自分が指名されるかと常にはらはらしていました。

 

しかし、ある授業のほんの隙間時間。

 

その先生が趣味にしている映画鑑賞の話を、いつもとは違う優しい笑顔で話してくれたことがありました。映画に興味があった私は「この先生、そんなに怖い先生ではないのかもしれない」と親近感を覚えました。

 

また、気さくで明るい国語の先生が、私たち生徒が疲れてきた絶妙のタイミングで自分の大学時代のお話をしてくださったこともありました。そのとき「大学生って楽しそう!」と思い、大学入試に向けて気持ちを新たにしたこともありました。

 

生徒と教師の距離を近づけたり、生徒のやる気を引き出したりすることができる「雑談」。

 

私自身、教員になって後、様々な場面で「雑談」をしてきました。

 

一口に「雑談」と言っても、その内容はさまざまで、生徒が声を出して笑い出すようなものもあれば、あとで「先生の言葉で涙がでました」と言うようなお話もあります。

 

いずれにせよ、「雑談」には大きなパワーがあるのです。

 

そこで、今回は「雑談力を磨く」シリーズ第一弾として「臨機応変な雑談力~雑談の種類~」がテーマです。

 

 

状況によって使い分ける「雑談」

 

雑談は闇雲に好きな話をすればいいというわけではありません。
雑談は大まかに二つのタイプに分けられます。

 

  • 「気持ちをリフレッシュさせるための雑談」

 

例えばお昼休み明けの授業を想像してみてください。

 

多くの生徒はお昼ご飯を食べ、眠気が最高潮になっている時間帯です。睡眠は人間にはなかなか抗い難い欲求です。

 

何とか授業の最初に眠気を飛ばすために気持ちを高ぶらせる必要があります。

 

こんな時は「気持ちをリフレッシュさせるための雑談」が有効です。

 

私の場合は生徒が大爆笑・・・とまでは行かずとも、「ふふ!」と笑ってしまうような話や「もっと聞きたい!」と思うような話を選びます。

 

そのため、日常的に「面白い!」と自分が思うことを探すようにしています。

 

例えば、テレビで見た珍しい話や面白いと感じた本の話。はたまた自分の学生時代にいた特徴的な先生のエピソード。

 

職場である学校での自分のうっかりした失敗談、特にそのクラスの生徒が知っている先生を絡めた面白い話は喜びます。

 

この際決してしてはいけないのは自分以外の誰かを貶めることです。どんなに面白い話でも「悪口」をいう教師は信頼されません。

 

信頼されないどころか、不信感を抱かれる可能性すらあります。気を付けましょう。

 

また、私もそうなのですが、旅好きな方は旅先で起こるハプニングなどもよいと思います。

 

実際、私も並外れた方向音痴の友人とハワイに行った際の話をしたことがありますが、これは本当に大爆笑を誘いました。

 

 

  • 「生徒の人生の教訓になる雑談」

 

悩みを持つ生徒はたくさんいます。中には保護者にも友達にも教師にも、誰にも相談できず、一人で悩んでいる生徒もいます。

 

皆、何か一つくらいは悩みを持っているものですが、いわゆる思春期の生徒は「自分だけが辛い」「誰にもわかってもらえない」と思ってしまいがちです。

 

そんな生徒に「君は一人ではない」「周りに君を心配する人はいる」「悩みはいつか解決する」「君は大切な人」ということを伝えるために雑談をします

 

また、受験勉強で限界を感じている生徒に「勉強をする意味は何か」「受験で何を得るのか」「社会に出るとはどのようなことか」を伝えるための雑談もあります。

 

たとえあなたが大学生であったとしても、大学を卒業したての新任教員であったとしても、あなたの方が生徒より確実に長く生きています。思春期を乗り越えてきたのです。

 

自分の思春期の悩みは思い出せますか?

 

どのように解決しましたか?

 

助けてくれた人は居ましたか?

 

学生時代の失敗談はありますか?

 

そこから何を得ましたか?

 

生徒たちにどのような大学生活を送ってほしいと思いますか?

 

あなたのエピソードを交えて、心を込めて話してみてください。

 

その日は生徒の反応はないかもしれません。しかし、何人かの心には確実にあなたの言葉は伝わっています。

 

今すぐでなくても、いつか彼らがふと「雑談」を思い出し、気持ちを切り替えられるような時がきっときます。

 

「授業力」とともに、その場に応じた「臨機応変な雑談力」を磨きましょう

 

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