英検対策を通じて生徒の発話機会を確保する

英検対策を通じて生徒の発話機会を確保する

英検対策を通じて生徒の発話機会を確保する

 

別項(「英検の面接官の役割を通じて指導者の英語力が向上する話」はこちらをクリック)で英検対策を通じた指導者側のメリットを述べてきました。

 

しかし、対策は本来生徒のためのものですから、生徒にとってのメリットについても触れておかなければなりません。

 

 

一つは、当然のことながら、入室から退室までの流れを知り、どのような問題と向き合わなければならないかを知ることができることです。

 

面接試験はパターン化されていますから、事前に何度か練習をしておけば「どんな面接になるんだろう」と心配する必要がなくなります。

 

音読、写真描写、意見陳述など、やるべきことははじめから決まっているのです。

 

 

二つ目は、個人レッスンの形で生徒はスピーキング指導が受けられることです。

 

数十人単位の授業で活発な発言を促す授業を行っても、一人の指導者が全員のスピーキングを細かく指導することはできません。

 

しかし英検の面接対策指導は多くの学校では昼休みや放課後の時間などを用いて受験者個別に行いますから、生徒にとっては課外のプライベートレッスンが受けられるようなものです。

 

場合によっては二人か三人を同時に指導することもあるかもしれませんが、二十人や三十人を相手にすることを思えば遥かに効率よく効果的な指導ができます。

 

 

授業での手応え以上に生徒のスピーキング力は低い

 

個別指導を行う際に心得ておかなければならないのは、生徒のスピーキング力の無さが浮き彫りになることです。

 

あなたの授業が普段から大変な盛り上がりを見せ、生徒がみんな活発に活動を行い、クラス全体がとても良い雰囲気で授業ができていても、それが生徒個々のスピーキング力の高さを必ずしも証明するわけではありません。

 

個別に指導をしてみると、授業では見えない(聞こえない)生徒のミスやスピーキングのいい加減さに気づかされることが非常に多くあるものです。

 

 

私も経験上、普段の授業で担当している生徒もそうでない生徒も含めて、多数の対策を行ってきましたが、その多くは、驚くほど簡単な発話もできないレベルであることに気が付かされたものでした。今でもそうなのですが。

 

高校2年生や3年生ですら、それこそA boy is swimming in the river.程度のレベルの発話すらまともにできない生徒も多く、まして自分の意見を述べることなどほぼ不可能に近いような生徒もとても多いものです。

 

言いたいことは分かっても、A boy swimming the river.のようにbe動詞や前置詞を抜かしてしまったり、複数形と単数形を混同したり、数や時制に応じた動詞の活用がまったくできなかったりするのです。

 

彼らは理屈としては進行形を作るbe+~ingも、主語と述語動詞の一致も知っています。しかし、いざ瞬発的な発話が求められたときに、その理屈としての知識がまったくスピーキングに結びつかず、まるで崩壊した英語しか話すことができません。

 

 

個別指導は発話訓練の格好の場

 

生徒のスピーキング力の低さの原因は、発話訓練の不足以外に無いと考えます。

 

やはり日本の学校教育における豊富な英語使用の促しは緊急の課題であり、これを実践することで英語の知識を実際の使用力へと高めることが必要です。

 

その意味で、面接対策の場は、生徒の発話機会を確保し、一人一人の課題を発見し訂正させ、そして訓練を促すことができるというメリットがあり、発話訓練の格好の場となるのです。

 

 

その場において、たとえばある生徒が進行形のbe動詞を忘れがちだという課題を発見したとき、「たった一つのbe動詞をきちんと文に組み込むことができれば、それだけで出来上がった英語の聞こえはまったく違ったものになる」ことを強調し、印象付け、意識的にこれを訂正しようとさせることができるようになります。

 

大人数を相手にした授業ではほったらかしにされていたであろう生徒のミスを訂正することができ、結果的に合格にも一歩近づかせることができるのです。

 

 

全体と個の両方に向ける目を持つ

 

私たち指導者は、授業を成功させることを日々の大きな課題としています。

 

しかし授業というのはクラス全体に目を向けることであり、生徒個々への配慮が薄れてしまうことがよくあります。

 

先にも述べたように、全体としての授業の成功が生徒個々の能力の向上や技能の獲得と常にイコールの関係にはならないこともある、ということを理解し、個別練習の大切さをぜひ知っておいてください。

 

英検の面接を中心に述べてきましたが、大学入試における英語面接の場合も同じことです。

 

 

教えている全生徒の個別練習を行うことは現実的には難しいでしょう。

 

一人でも多くの個別練習をしましょう、とも言いません。

 

しかし、少なくとも個別練習の機会がある限りは、対象生徒のスピーキング力の向上に全力を注いでください。

 

これは大きなチャンスなのです。

 

そして、be動詞程度の些細なことからでも生徒の英語は良くなるのだという喜びを、あなた自身も、生徒自身も、「できるようになった」という実感と共に得られることができれば大変なやりがいがあるものです。

 

前項の内容と合わせて、面接官役を買って出ることは、あなたにとっても生徒にとっても非常に有益なものとなりますから、ぜひ実践してみてください。

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