can と be able to のシチュエーションによる使い分け

can と be able to のシチュエーションによる使い分け

1.内容をまとめると…

 

canbe able to のシチュエーションによる使い分け

 

2.現在形の時の使い分け

「することができる」

現在の能力を表す

 

→両方可能だがcanが普通

She can swim fast.(一般的)

She is able to swim fast.(一般的ではないが、誤りではない)

能力ではなく「(性質や状況から判断して)可能」

 

canを使用

I can see you tomorrow afternoon.


→能力的に会えると言っているのではなく、状況から判断して会えると言っているところに注目

受動態の時

 

canを使用

The device can be operated by children.

(この装置は子どもでも操作できます)

 

3.未来表現など助動詞と一緒に使用する時

×will can

→不可

will can とか can will のように助動詞を2つ続けることは出来ない

will be able to

→○

She will be able to swim soon.

 

4.完了形(have/ had)と一緒に使用する時

×have can/ can have

→不可

完了形とcanは一緒に使えない

have/ had been able to

→○

I have been able to sleep well since I went to see the doctor.

(医者に行って以来、ずっとよく眠れる)

 

5.過去形

「することができた(状態)」

過去の継続した能力

→両方可能だが、was able to の方が普通

She could swim when she was five.

She was able to swim when she was five.

過去の一回だけの成功ではなく、継続した能力を表している。
 
この意味でcouldが用いられるのは通常、文脈的に過去のことであると分かる場合や、過去を表す語句が伴う場合に限る

「することができた」

一回限りの動作・出来事

→×could

→〇was able to

He was able to run 100 meters in 12 to 13 seconds yesterday.

(彼は昨日100メートルを12秒台で走ることができた。)

過去の一回限りの出来事を表しているときは、was able toを使用する。

この意味ではcouldは使用不可。

「できなかった」

否定文の時

→過去の継続した能力でも、一回限りの動作でも、両方とも使える

He wasn’t able to run 100 meters in 12 to 13 seconds yesterday.

 

He couldn’t able to run 100 meters in 12 to 13 seconds yesterday.

 

(昨日、彼は100メートルを12秒台で走ることができなかった)

否定文では、過去の継続した能力でも、一回限りの出来事でも、両方とも使える。

 

6.指導上のアドバイス

canbe able toは完全に交換可能なものではありません。

 

しかし昔も今も、canam / is / are able toの機械的な書き換えは中学での指導段階から練習として行われています。形をまずは定着させるためには効果的であるかもしれませんが、意味やニュアンスの明確な違いにまで指導が行き届いていないのは問題です。

 

このせいで、couldcanの過去形であることからこれを「できた」の意味で用いると思い込んでいる生徒は非常に多く、couldが本来的には仮定法であると正しく理解している生徒は稀です。

 

couldwas / were able toと全く同じ意味であると教えている指導者はさすがに少ないように思いますが、それでも多くの生徒たちは両者の違いをほとんど理解できていません。仮定法が高校で学習する範囲であることにも原因があります。

 

したがって、中学では現在形のcanam / is / are able toの形と意味の違いを、多様な例文を用いて定着させることをまずは目指してください

 

過去形については、couldは基本的には「できた」の意味では使えないことを強調し、あくまで過去の文脈を明確につかみ取ることのできる例文に限って、was / were able toとの意味の違いに目を向けながら「(能力的に)できた」の意味となることがあることを教えてください。

 

そして高校で助動詞の単元を指導する際に改めてそのことを再確認させ、次の単元である仮定法で両者の違い(特にcouldの仮定法としての意味)を完全に理解、定着させるようにしてください

 

最近では仮定法における法助動詞(末尾に説明あり)の重要性から、助動詞の次に仮定法を学ばせるようにしている指導者も多く、また、助動詞の次に仮定法を置くテキストなども登場していますから、教材選定の際にはそのようなテキストを選ぶべきです。

 

長文読解においても、とりわけ論説文に出てくるcouldはほぼ「できた」の意味では用いられませんから、その都度確認させ、理解を促すようにしてください。

 

助動詞と仮定法は何度も行ったり来たりしながら、なるべく細かく正確に指導することが大切です。

 

 

*法助動詞について

 

法助動詞の「法」は英語でmoodと言い、つまり「(話者の)気持ち」を表すはたらきを持つものです。通常、参考書の助動詞の単元で登場するcan、may、must、shouldなどがこれに当たります。

 

気持ちを表すのが法助動詞ですから、たとえば

 

If I had ten million yen, I could buy that car.「1000万円あれば、あの車が買えるのになぁ」
という仮定法の文では「実際には1000万円を持っていないから車を買うことができないことへの悔しさ」といった、話者の残念がる気持ちが滲み出ていることになります。仮定法の「法」もこの気持ちです。

 

だからこそ仮定法では法助動詞が用いられるわけですから、単に「買えない」という事実だけを意味としてとらえるのではなく、「話者の気持ちを表す心の助動詞」として法助動詞を感じ取ってください。

 

(さらに言えば、couldが基本的に過去の「できた」をただの客観的事実として表すことがないのもこの法助動詞の気持ち的性質が理由です。)

 

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