英語教師こそビジネス書を読んでみる

英語教師こそビジネス書を読んでみる

教師がビジネス書を読んでいる姿をあまり見たことがありません。職員室で読書をする暇が無いこともあるでしょうが、雑談のなかで「ビジネス書」の内容が話題になることもありません。ですから、

 

「お金儲けをしているわけじゃないから、ビジネス書は必要無い。」
「そんな本を読む暇があったら、英語指導に関する専門書を読む。」

 

というのが本当のところでしょう。

 

しかしながら、この発想は非常に損をしています。

 

ある業界で当たり前にやっていることが、他の業界では誰もやっていなくて、参入したとたん、ライバル無しの無敵状態になることは決して珍しくないからです。「味の素」が長年培ってきたうま味成分であるアミノ酸の研究成果を美白クリームなどの開発に転用して成長しています。

 

ですから、もし一般的なビジネスマンが当たり前に実践しているノウハウを学校の同僚がまったく知らなかったとしたら、応用の仕方によっては、ほかの教師との大きな差別化につながるはずです。

 

どのようなビジネス書を選んだらよいのか?

 

さて、そうは言っても書店の棚には様々な本が積まれており、どれを読んだらいいのか迷うことと思います。
「日本経済」「世界経済」の広い範囲を扱ったものや「金融」などの分野はさすがに教員の仕事と重なる部分が少ないと思います。為替の変化が明日の授業に役に立つとは思いません。

 

とりあえず「仕事術」「ビジネス哲学」あたりから始めると良いと思います。平易な言葉で書かれているので、読み終わるのにさほど時間がかかりません。コツはまずは内容を頭に入れ、どのように教師という仕事に転用するか、に知恵を絞ることです。

 

また、この手の本は資本主義大国アメリカで出版されたものを翻訳した本も多いので、原書で読めば英語とノウハウの両方を学ぶことが出来て、一石二鳥です。まだ邦訳されていないベストセラーをいち早く原書で読めば、周囲の人に先んじることが可能です。英語を身につけた武器を大いに生かしましょう。

 

古典的なもので私が面白いと感じた本は、心理学を応用して人を説得する方法が書かれた『影響力の武器』、デール・カーネギーのベストセラー『人を動かす』などです。

 

指導案に応用できた実例

 

もっと手軽なノウハウを紹介したものとしては『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』です。

 

研究授業の際はだれでも指導案を書くと思いますが、普段の授業であの書式を使って、指導案を書く人はいないでしょう。また、いつになっても指導案を書くのは億劫で、時間がかかるものです。

 

しかしながら、この本を読んだ後は、指導案の作成がそれほど大変とは思わなくなりました。目的や何をどのような順番で話すか、などが一枚の紙に明確にまとめられるようになったからです。

 

この本は、企画書やプレゼンを行うビジネスマン向けに書かれており、一枚の紙に4×4などのマスを書き、中にキーワードを埋めて行くことによって、「何をどのような順番で話したらいいか」や「具体的に何をしたらいいのか」を明らかにする、というのが趣旨です。

 

私はこれを応用して、普段の授業で使える指導案が書けることに気づきました。(具体例は、「5分で書ける普段の英語の授業で使える略案」その1で紹介しています)

 

何もないノートにメモを書くよりも、枠があるだけでやるべき学習活動がサクサクと埋められます。賛否両論あるとは思いますが、少なくても短時間で頭が整理された状態で授業に向かえますので、多忙な中でも重宝します。

 

数か月これを続けていると、自分の授業のパターン(型)が出来上がり、生徒もそのパターンに馴染み落ち着いて授業に向かうことが出来ます。こうなるとたまに入れる変化球が非常に効果的で、授業のマンネリ化を防ぐことにもなります。

 

出張などで他の英語の先生に代講を依頼する時は、プリント作業のみになりがちですが、このシート1枚をみせて指さしながらの簡単な打ち合わせだけで、普通に授業をしてもらうことも十分可能です。

 

時間が足りず急に取捨選択をしなければならない時でも、あらかじめ優先順位の印がついているので、焦ることなく対応できます。

 

さらに、「仕事のやるべきリスト」(=to do リスト)をこれで作ると、授業以外の書類仕事も優先順位が効果的につけられるようになり、無駄な残業や休日出勤をすることもなくなります。詳しくは、実際に本を手に取ってみてください。

 

知識の後は、行動せよ。

 

これらのことはなかなか職場の先輩や同僚から教えてもらえませんが、書店に行けば1,500円程度で簡単に手に入ります。その後の成長を考えると、こんなに安くて効果的な投資はありません。

 

「忙しくてなかなか本を読む時間が取れない。」

 

というのであれば、なおさら「時間節約術」の本をさっさと読む必要があります。そうでないと、いつまでもその悩みは解消されずに、あなたを困らせ続けるからです。

 

毛嫌いしないで、ビジネス書を手に取ってみてください。そして、最も大切なことは、とりあえず実践に移すことです。実際に行動した人だけにリターンがあるからです。

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