英語教員にとって英検・TOEIC・TOEFLには意味がある2

英語教員にとって英検・TOEIC・TOEFLには意味がある2

指導者として少なくとも持っておきたい力としての検定・資格等

 

(前項の記事「英語教員にとって英検・TOEIC・TOEFLには意味がある1」はこちらをクリック)
説得力のある指導に足るだけの力として、なおかつ「この先生なら頼れそうだ」と思ってもらうことのできる演出力として、具体的に目指すべき級やスコアはどの程度でしょうか?

 

●英検準1級
英検であれば準1級です。2級が高校修了程度の力と設定されているため、少なくともこれを超える水準である準1級を目指すべきです。

 

●TOEIC LR800点以上 SW160点以上
TOEIC LR(Listening and Reading)であれば800点、SW(Speaking and Writing)であれば160点以上です。英検、TOEIC、TOEFLなどの試験はその内容や難度が大きく異なるため、一概に級やスコアを相対的に比較して点数を換算することは容易ではありません。

 

しかし、英検準1級に見合う力として上記の点数は妥当であると感じます。また、近年の大学受験の動向として、TOEIC LR780点程度以上を有する受験生は大学入試センター試験(以下センター試験)での英語の点数を満点扱いしてもらえるケースも登場しており、そのことからも800点という数字の妥当性は認められると思います。

 

仮にセンター試験で満点を取ることができるからと言って、その受験生がTOEIC LRで800点を超えることは難しいかもしれませんが、ここで私が主張したいのは、TOEIC LR780点をセンター試験の満点と同等と判断するならば、それを超えるスコアを有することが指導者には必要だということです。

 

加えて、私の個人的なTOEIC受験経験から言っても、英語指導者たる者がTOEIC LR800点、SW160点を下回るようでは指導内容に不安が残るであろうことは明らかのように感じます。

 

TOEICは決して難易度の高い試験ではありません。基本的な文法、語彙、リスニング、そして読解力を備え、スピーキングも含めた日々のトレーニングを欠かさず続けていれば上記の得点は当然超えるべきラインなのです。

 

実際のところ、TOEIC LRで800点を超える生徒も中にはいます。自分の生徒よりも点数が低いことを、そもそもあなたは受け入れることができるでしょうか?

 

●TOEFL iBT80点以上
TOEFLを受験することの目的は、海外(特に欧米)の大学での学びに足る英語力を有しているかどうかを確かめることです。

 

一般的に、アメリカの4年制大学に留学するために必要とされるスコアの平均は概ねiBT61点程度(PBTでは500点程度)、大学院であればiBT79~80点程度(PBTでは550点程度)と言われることから、少なくともこの点数を有しておくことが指導者としては妥当であると考えられます。

 

最近では高校卒業と同時に(あるいは在学中に)留学を志望する生徒も増えていますから、英語に並々ならぬ関心を持つ彼らが目指している点数を獲得できないということであればそれこそまるで頼りがいがありません。

 

●センター試験満点
資格試験ではありませんが、センター試験についても触れておきます。(廃止に関する議論はさておき)これについては、満点を取ることができる力が必要です。

 

一般的な参考書や高校生レベルの教科書の範囲からしか出題されない、英語の基礎学力を問うセンター試験だからこそ、これで満点が取れないようでは指導に支障をきたすことすらあるでしょう。

 

ミスや読み間違いによって誤答してしまうことはあるとしても、これを解き直したり解説を確認したりすることですぐに誤りに気づき、理解し、生徒に指導できるだけの力は身に付けておきたいところです。

 

これをお読みの方の多くは中学生や高校生の指導に携わっている(もしくはこれから携わる)方々であると思いますが、その中学生や高校生がいずれ辿り着く先にセンター試験があります。(今のところは)

 

私立大学入試においてもセンター試験利用・併用入試があり、国公立大受験か私立大受験かに関わらずこれを受験する生徒は数多くいます。強制的に全生徒に受験させる学校もあります。

 

このことを考えると、満点級の力が欲しいことは明らかです。

 

また、センター試験は高校までの学習の集大成的な側面も持ち合わせているため、指導者自ら満点を取ることができるということは、高校生までに指導すべき内容とレベルに自身が到達し、必要な知識や技能を心得ていることの確認にもなります。

 

 

 

●指導者のスコアは小道具であることを再確認する

 

ご存知の通り、各試験では内容が異なります。センター試験に至っては2019年を最後に廃止されることが決まっています。

 

しかしだからと言って、こちらの試験ではこれだけのスコアを獲得できるけれど、あちらの試験ではこれだけしか得点できない、センター試験はもう受けなくても良いなどとは言っていられません。

 

まして、前項でも述べたように、そもそも受験すらしないことなど決してないようにしてください。

 

いかなる英語試験においても相当の実力を示すことができることが指導者としての力であり、生徒の前で指導者らしさを演出するための小道具なのだということを改めて確認してください。

 

 

英検を持っていないのに英検指導に当たる指導者や、十分な得点を有していないのにTOEIC指導に当たる指導者を前にやる気を失った生徒の顔など見ていられません。
(実際に私は見たことがあるのです。)

 

生徒たちの意識はある意味で単純です。

 

資格を持っている先生だから頼れる。点数を取っている先生だから話をよく聞こう。

 

その意識の是非はともかく、あなたの英語力と指導者としての価値を示す客観的な小道具を用意しておくことに越したことはないのです。

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