英語授業のwarm-up~導入部をオールイングリッシュ化してみよう

英語授業のWarm-up~導入部をオールイングリッシュ化してみよう

Warm-up~導入部をオールイングリッシュ化してみよう

 

まず、1年間を通じて定番化するメニューを考えることです。例えばwarm-upとして「前回の授業で扱った文法事項を含んだ簡単な会話カードをペアで練習させる」ということです。一つだと少なすぎるので、これに単語書き取りのミニテストを加える、というような感じで、数パターン用意します。

 

このように、定番化するメニューを作ることで、使用する英語が非常に限られたものになります。これが出来たら、頭の中でひたすらシミュレーションを繰り返して、使用する英文を作って、ブツブツ言う練習をします。

 

何を言えばよいのか思い浮かばない時は、自分の授業を録音するといいでしょう。意外と同じような言葉を好んで使っていることに気づきます。あとは、それを英語に直していくだけです。

 

凝った表現は必要ない

 

英語にする時は、気取って「ナチュラルな表現」を目指す必要はありません。オーソドックスな方がいいです。

 

教科書を開かせるときは、
“Open your textbooks to page 45.”で十分です。
ちょっと変化をつけようと、
“Let’s flip to page 45.”
と言おうとして、flipを度忘れしてしまったら、堂々とベーシックなセリフを繰り返しましょう。

 

先ほどの会話練習を例に挙げると、こんな「指示」が必要となります。(T=Teacher, S=students)

 

T: First of all, let’s make pairs so that we can practice the dialogue on the card. Is there anyone who doesn’t have your partner? Yumi isn’t here today, so I will be your partner, Takeshi. Let’s decide who goes first. Takeshi, you go first. Okay, everyone, let’s get started.

 

セリフの中にはso that 構文や関係代名詞のwhoが登場します。中学1年生にはちょっと難しいかな、と判断したらもう少しシンプルな文に分けることにします。

 

Let’s make pairs. We will practice the dialogue on the card. Do you have your partners? Raise your hand if you don’t.

 

既習事項(単語)と未習事項(単語)にこだわりすぎると、英語がそもそも作れなくなる原因になるので、ほどほどにしておきましょう。繰り返すうちにある程度反応出来るようになりますし、後にきちんと文法や単語を学んだ時に、「ああ、そういうことか。」と合点がいくはずです。

 

もし、中学2年生でto不定詞の副詞的用法を学習したばかりなら、
Let’s make pairs to practice the dialogue on the card.の方がいいかな、と変える位で十分です。

 

これも最近習った文法事項を出来るだけ取り入れようと頑張りすぎると、教師の方がだんだん辛くなってきます。ほどほどにしておきましょう。

 

少しでも経験のある教師なら、曖昧な指示ではペアが見つけられないことは容易に想像できますので、身振りを交えながら伝えた方がよさそうな気がします。

 

We will practice the dialogue on the card. Let’s make pairs. (指で示しながら)The students in the front rows, turn around.(生徒に一人後ろを向いてもらう) (2列目の生徒を示しながら)She is your partner. The rest is the same. (奇数列の生徒を示しながら)The students in this row and this row, turn around. Now, all of you may have your partners.

 

一人で部屋にいるような状況でしたら、手振り身振りを交えてブツブツ言うのもいい練習になります。言葉だけでなく、視覚的な補助教材(パワーポイント、カード、図等)を使って、生徒の理解を容易にすると非常に授業がスムーズにすすみます。

 

教科書巻末に掲載されている定番クラスルームイングリッシュは出来るだけ取り入れましょう。生徒も時々目にしますので、「あっ、これ授業で言っていたな…。」と思ってくれればしめたものです。(当サイトでも、少しずつ定番表現を掲載する予定です)

 

その他、書籍、和英辞書、ALTなどに聞きながら、このように覚えるべき英文がそろったところで、あとは暇な時にひたすら授業風景を想像しながら、ブツブツとつぶやきながら練習するだけです。

 

紙に書かず、ひたすらブツブツ繰り返す

 

いちいち紙に書きだす必要はありません。授業中、スクリプトを見るわけにはいかないので、何度も頭の中で作業を完結しましょう。初めのうちは、最初の3分くらいを進んでは止まり、戻り、を繰り返すことになりますが、気にする必要はありません。誰でもそんなものです。

 

先ほどの例だと、毎回、後ろの生徒をパートナーにすると飽きますし、違うペアを見つける場面も想定しなければなりません。

 

This time, let’s find different partners. The students in this row, turn left. They are your partners.

 

など何パターンか用意しておきます。

 

さて、こんな感じで最初の15分間程度の英語表現をスラスラと言えるように、百回程度は口頭練習してください。小さい声では言えることも、授業用の大きい声を出すと、頭に浮かばなくなることもあります。それは、練習が足りていない証拠なので、もう少し積んでください。

 

教員の生活が忙しいことは、十分理解しています。この練習方法のいいところは、いちいち誰かを煩わせることなく、すき間時間を利用して出来ることです。3か月も毎日繰り返していれば、最初の15分を乗り切ることは決して難しくありません。

 

15分と言っても、自分がしゃべり続ける訳ではありません。生徒に言語活動をさせるのが大切なので、実際に話している時間は短ければ短いほどいいです。簡潔にテンポよく、分かりやすい英語を使うことです。

 

迷ったら、日本語で切り抜ける

 

ある程度出来るようになったら、試しに小規模なクラスで使ってみます。その時の注意点ですが、とっさに英語が出てこなかった場合は、すかさず日本語で伝えることです。授業は何よりもテンポや流れが大事なので、何と言おうかとグズグズ悩んでいる教師の姿を見せると、生徒は必ずダレてきます

 

指示を出しても生徒がポカンとしている時も同様で、簡潔な英語がすぐに出てこなかったら、迷わず簡潔に日本語で指示を出しましょう。

 

間をあけずに日本語を使うことでテンポは保たれますし、「自分たちが分かりにくいから、日本語で伝えてくれたんだ。」と生徒は思ってくれるので、まったく問題ありません。ただし、授業後、どのように伝えればよかったのかは、確認して自分のものにしていきましょう。

 

この時期は、他の先生に見てもらうのもいいでしょう。何もない所から相談するよりも、もっと適切なアドバイスが得られると思います。こんな感じで、予備学習に3か月程度、力試しに2カ月程度、計半年もすれば、ある程度自信をもってオールイングリッシュで導入部分をこなすことが出来るはずです。

 

多くの場合、4月の授業の最初に年間を通じてどのように授業をすすめ、どのように評価していくかを生徒に伝えると思います。オールイングリッシュで授業を始めるなら、やはり年度の初めからスタートするのが最も良いタイミングと言えるでしょう。

 

あなた自身も生徒も、「英語の授業が当たり前に英語で始まる」ことが日常のことになれば、まず第一段階は成功です。

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